第16回:須藤祥代先生(千代田区立九段中等教育学校 教諭)

 

本校では、「体験から学ぶ」ことを重視し、総合的な探究の時間」では、個人で卒業研究を行っています。この卒業研究は、自分でテーマ設定し、文献調査実地調査を経て中間発表を行い、その結果をにソーシャルアクションとして社会に貢献できる行動を考えながら実践を積み重ねていきます。卒業研究で大事なのは生徒のやる気に火をつけること。生徒がやらされた感で行うのではなく、自分でやりたいと思えるようにすることをもっとも重視しています    

      

よって、テーマは生徒自身が決めることになります。探究のテーマ設定に向けて、自分は何に興味があるのかなど、自己理解や学問理解のワークを行い、問いづくりをする中でテーマが適切かどうかを検討します。ときに設定したテーマでは思うように探究をうまく進めていくことができない生徒もいますが、その場合にはテーマを見直して探究サイクルを立て直すことになります。               

 

卒業研究は、学年の担任団だけでなく、ゼミなどの先生方担当しています限られた授業時間で探究をスムーズに進めるために、生徒のワークシートや記入見本だけでなく、指導案を授業前に共有します。特にワークシートは、生徒が何を考えているか、どこまで進んでいるのかを可視化できるようにしています。また、授業中、先生方にはファシリテーターやアドバイザーの役割を担っていただいていますが、生徒が探究を主体的に進める中で自ら専門家にアポイントを取り、質問に行ような生徒も出てきます。そのため、各生徒の進捗管理外部とのやり取りが生じた際の後方支援もお願いしています。    

 

総合的な探究の時間は各教科で学んだことが生きる学習です。また、生徒は、課題設定や課題解決中で各教科・科目など育まれた資質・能力を自然と相互に関連付けていくため、すべての学びが実社会・実生活の中で総合的に活用できると感じることができます。

 

この観点からカリキュラムマネジメントを行うと効果を最大化できるはずです。一例として、本校の情報科と総合的な探究の時間のカリキュラムマネジメントを紹介します。情報Ⅰでは問題解決学習を全単元で行っていますが、その中のデータの分野では、アンケート実習をグループで行い、知識・スキルを習得させています。この学習経験を踏まえて、総合的な探究の時間では個人の調査研究に生かしていくわけです。学習したことをその授業で活用することにより学びの連動性が生まれ、生きた力にしていくことが可能になります

 

カリキュラムマネジメントは各教科の先生と学習内容を話すことで考えることができます。生徒情報の共有と同じように、授業で教えている内容などを複数の教科の先生方と情報交換し、連携しながら進めると、教科間でそれぞれどう教えると良いか工夫・検討することができ、効率く授業を進めることができるのではないでしょうか。

 

学習は、学びのモチベーションをどう作り、それを高めていくかが肝心です。また、生徒が自ら学ぶ姿はわれわれ教員のモチベーション・アップにもつながります。生徒はもちろんのこと、先生方も変化を楽しみながら進めていけるよう、さまざまな学習活動に探究的な学びが波及する学習サイクルの設計をこれからも模索していきたいと思います。

 

次回は、福島県立郡山高等学校 教頭 荒 康義先生にご担当いただきます。お楽しみに。

 

 

 

 

Institution for a Global Society株式会社 教育事業部